ある朝私は、昔おばあちゃんの手作りしたお人形さんと、旅に出かけることにしました。
なにせ半世紀もの間、彼女は沖縄の家の片隅で正座をしていたものですから、着物はもう、古びていました。
「何か着替えられないかな。」
部屋の引き出しの中に白い絹の布を見つけた私は、お人形さんを着替えさせ、おめかしをしました。
私も羽織れるきものをリュックに入れて
「さあ、出かけよう!」
エメラルドグリーンに輝く海、
湧き水が流れる神社、
家に戻り
スマホの写真を見て驚きました。
「あれ?お人形さんの顔が
・・・なんだか違う?」
ふしぎと
家の中と旅先での
お人形さんの表情が
違って見えたのです。
なんだか
優しくて柔らか〜い顔立ちに
変わっているような‥
私も、海で潮風を受けた時
ふわぁ〜っと
心も体も
芯から解放される気がしました。
もしかしたら
大自然に包まれ溶け込む瞬間
私たちもお人形さんと同じように
優しい表情に変わっているのかもしれません。
大自然には
人を変える何かがあるのでしょうか。
地球の主役は自然であり
私たち人間は自然の一部であることを
改めて思い出させてくれた旅でした。